気=神経系統の見方 1

この記事の監修鍼灸師
ドクター・リウ鍼灸院 慶長先生

自律神経の不調、バランスがとれていない

いろいろと、ストレス社会的な要素が深まりつつあるように感じられます。

 ストレスや葛藤などが、身体症状として、転換される。それを「転換性障害」というそうです。

その原因はあくまでもストレスや葛藤であるため、身体的な検査をしても異常は認められません。

その中の症状の一つ、「喉に違和感、異物感がある、喉に何かが詰まっている感じがする・・・。」と訴える患者さんがいます。ストレスが原因と思われます。

内科や心療内科、精神科では「ヒステリー球」と呼ばれることが多く、耳鼻科では「咽喉頭異常感症」と呼ばれています。

ストレスによって、食道の筋肉に分布する、交感神経の過活動が生じ、それにより食道の筋肉が緊張して収縮します。

すると食道が締め付けられるため、喉の異物感や違和感、詰まった感じや飲み込みにくさを感じるのです。

「恋わずらいで、食事が喉を通らない」というように使われたりしますよね。

今まで述べたことは、「気血水」の「気」の流れがうまくいっていない。

自律神経の不調、バランスがとれていないと言えるでしょう。

  

「腎」について

そして今回は、中医学(漢方)では、広く、生殖や成長・発育、ホルモンの分泌、免疫系などの機能を併せ持つ“生命の源”と考えられる、身体の中で最も大切な臓器の一つ「腎」について記してみたいと思います。

西洋医学で考える「腎臓」の役割にとどまらず、中医学で考える「腎」には全身の健康に関わるさまざまな働きがあります。

○ 生命エネルギーの源「精」を貯蔵する

○ 骨・脳・髪を育む

○ 水分を管理して尿を排泄する

○ 酸素を体内に深く吸い込む(納気)

○ 耳・尿道や生殖器官・肛門の機能維持

 

 

現代医学の観点から

今度は、中医学の「腎」のカテゴリーを、現代医学の観点から見てみます。

まず、腎臓の働きです。

○ 老廃物を身体から追い出す

○ 血圧を調節する

○ 血液をつくる司令官

○ 体液量・イオンバランスを調節する

○ 強い骨をつくる

○ ホルモンをつくる

 

中医学(漢方)には登場しませんが、副腎について、「腎臓の上に位置しているので、その名で呼ばれていますが、腎臓とは直接の関係はありません。」という説明もありますが、中医学の「腎」の考え方に沿ったように、腎臓と副腎はセットで見たほうが良いと考えます。

副腎は副腎皮質という外側の部分と副腎髄質という内側の部分に分かれており、それぞれの働きをします。副腎がないと人は生きていけません。それは、この副腎は、生きていくのに大切ないくつかのホルモンを作っているからです。

 

アルデステロン → 血液中のナトリウムとカリウムの濃度をコントロールします。

糖質コルチコイド→ 身体がストレスにさらされたとき、それに対処するための身体の状態を作る。
          血液中のブドウ糖の供給を増加させます。

 

私たちの身体は例えば、寒さや空腹、感染や炎症などといった急激なストレスに身体がさらされても、身体の重要な器官とされる脳や心臓・内臓に栄養分となる糖が供給され、その機能を維持することが出来ます。

また、抗炎症作用や免疫抑制作用、様々なストレス刺激(ここで言うストレスとは、身体の構造的な歪みや、栄養の過不足、薬の副作用、気温や温度の変化、心理的なものをさします)に対する抵抗力を高める作用があります。

副腎髄質からは、アドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。

突然の危機や、非常時に直面したときに自律神経の交感神経を高めて、その状況に対処できるよう身体の準備をします。

アドレナリン  →心拍数を増加させ、血糖値を上昇させ、胃腸の蠕動運動を抑制します。

ノルアドレナリン→血管の収縮作用を高めて、血圧を上昇させます。

 

 

中医学(漢方)では、「気血水」の「気」を、五臓(六臓)六腑の中の「腎」を重要視しています。しかし、今の東洋医学においても、現代医学と同様ほとんど横並び扱いしているよう感じます。

確かに、どれもが大切でしょう。

なぜ、東洋医学では「気」を、「腎」を特別扱いするのか、考察していきたいと思います。

 

「気=神経系統の見方 2」へ つづく


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慶長先生

ドクター・リウ鍼灸院 渋谷駅前院所属 鍼灸師