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東洋医学理論に問題点はあるのか?

記事の監修鍼灸師
ドクター・リウ鍼灸院 慶長先生

 

 

東洋医学理論って何だ?

 

私事ですが、だいぶ前のことになりますが、マッサージの治療の前後、手が熱く感じるという体験をしたことがあります。(実際は手が熱くはなっていたかは分りません)

手からモァっとしたものが出ていて、触れそうなくらいの感覚を感じることが、一時期続きました。きっとこれは気が出ているというということなんだろうと思っていました。

同業者で、同じ体験をしている方がいるのではないかとも思います。
そうなると、手をじっと見つめたり、(治療院で、亀や水槽に観賞用の小魚を飼っていたので)手のひらをかざして反応を見たくなります。

何となく、伝わっているような、いないような、そんな感じでした。

 

前回のコラムでも述べましたが、人間の内部を知ろうとしたら、人体を解剖することから始まると思います。それは、西洋、東洋と関係なくなされるでしょう。

ただ、観察した結果は、三千年前と、顕微鏡や科学(物理、化学)が発展した現代とを比較すると、当然、見えるものが違ってきます。

そして数千年前には、科学も宗教に影響を受けることになりました。丸い地球の上に住んでいる。太陽の周りを回っている。などの考えは、時の宗教に否定されました。

しかし科学の発展、知識の量が多くなると、科学は後に、宗教と切り離されるようになり、また、心理学、脳神経学という分野なども出てくるようになってきます。

西洋医学、現代医学においては(医学の倫理とは言われたりしますが)、宗教が入ってくることは、一般的にはありません。ですから、発見と共に、どんどん医学理論、知識は更新されることになります。

治療法も以前と今とでは全然、考え方が違う、という結果にもなってしまうことも、時々あります。

 

一方、東洋医学を見てみますと、うまい具合に、時の思想、宗教と結びつきました。

それが基礎になってしまいました。それから後に、電子顕微鏡、物理、化学、生理学その他、いろいろな事がわかってきた時代になっても、東洋医学理論の方は更新できません。

そして、古い考え方なので理解不能ともいえるものにもなってきます。
例をあげると、脳や神経、血管の働きが、詳しく説明されている文献は見当たりません。

当然です。数千年前は分りませんでしたから。
そして、数千年前の文献はそのままに、更新されることはないのですから。

エビデンスは、科学的根拠という意味でもありますが、数千年前でストップしている、人間の脳神経、血管、循環器系の働きが詳しく説明されていない治療理論からは、科学的根拠を見出すことは出来ないと思います。

わたしは、東洋医学理論を全否定しようとは思っていません。

自然と人間は一体であるというような考え。人間全体、自然も含めて大きく見る。

場合によっては、発展、研究された現代医学より先見性があったりしますし、鍼灸、指圧マッサージは、効果のある、すばらしい治療法だと思っているのです

 

 

コラム「気」=神経系統の見方2に『中医学(漢方)では、「気血水」の「気」を、五臓(六臓)六腑の中の「腎」を重要視しています。』と述べさせて頂きました。

少し前ですが、『NHKスペシャル「人体」“腎臓”があなたの寿命を決める』という番組がありました。

『そんなふだんあまり意識しない「腎臓」に、今世界の研究者から熱い注目が集まっているって、知っていましたか?

なんと腎臓は、あなたの寿命をも左右する、人体の「隠れた要」であることがわかってきたんです。』山中伸弥さん、タモリさんが司会する番組でした。


東洋医学のありかたも、今の鍼灸指圧マッサージの専門学校のカリキュラム、また、いろいろな治療家の方々がいらっしゃいますが。それでいいのかもしれません。

ただ、東洋医学理論の構造はこういうものだと、理解しておくべきなのではないでしょうか?

その上で、治療の基礎を現代医学においたり、人によっては古典の東洋医学理論、漢方理論、中医学などに、徹底的に基礎におくやり方でも、それで良いのではないかと思います。

 

―井上恵理は「私は現代医学は知らんというのが表看板なのです。患者にもいうんだから。解からんから医者に行って聞け」「私は、自分の範疇というのを心得ているつもりです。私は臨床家であるというだけです。」―

(「医道の日本」11月号 P165引用)

 

留意すべきは、陰陽五行説、天人地三才思想、九星など、あまり思想の部分は、私見を持って広げない方が良いような気がします。(かくいう私も、やっていたのですが、今は考え直しました)

過去より現代まで、仏法において、釈尊は一人のはずですが、いろんな宗派が、これが正しいと名乗り出ることになりました。思想哲学は、解釈の仕方で違ってきたりもします。

私は合気道をやっていますが、武道にも同じように、思想哲学が入り込んできます。特に日本人は、茶道、華道、柔道、相撲道と「道」をつけるのが好きなようです。

現代は物理、科学、心理学(メンタリズム)といろいろな事が解かってきています。その中において、身体の動き、武器の操作法を簡単な物理の法則、例えば、てこの原理、慣性の法則、遠心力等から解析は説明できるのに、そうふうにする事は軽い考えに見られがち、かえって魅力をなくしてしまう、という結果をもたらすことになります。

「気」の力、不思議な力の方が好まれるのかなと、嘆きを覚えたります。

 

「気」というと、「エネルギー」「流れ」などが、主な意味になるのでしょうか。

 

鍼治療のとき、「ひびき」と言ったりしますが、

刺鍼したところから、離れた意外なところに感じたりします

例えば、腰の部位に刺激をしたら、首にも感じるとか。また、たまに、痛点にあたり、痛かったりしますが、感じると言うことは、それは神経の働きでしょう。

 

人間からも、電磁波、赤外線、脳波など発しています。最初の文に述べたことも、それと関係していると考えます。人体、細胞と、ミクロの目で見ていくと、最後は電子や素粒子レベルになります。それらの物質(波の性質もある)は簡単に身体をすり抜けていきます。
極端な話、電気や雷は神経線維だけを流れることはありません、ですから、神経の走行と一致してない伝わり方であっても、不思議ではないと思います。

逆に、経絡には、神経の走行と一致しているところもある。

臓器についても東洋医学理論、現代医学と一致しているところと、違っているところをあげて明確にして、その上で、現代医学に則った治療も、鍼灸マッサージの治療であると、東洋医学概論、鍼灸マッサージ理論に、明記するする必要があるのではないでしょうか。

そうでなければ、鍼灸指圧マッサージ師は、古典をすらすら読み、「素問」「霊枢」「難経」等を、全部解釈して、それに基づいた臨床家であらねばならないでしょうが、そうではないし、鍼灸の専門学校に行ったら、現代医学の勉強が多く、「あれ」っと思ってしまう。


この変な矛盾をずっと、抱えたままになるのではないでしょうか?

 

 


 

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慶長先生

慶長先生

ドクター・リウ鍼灸院 渋谷駅前院所属 鍼灸師


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