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がんの痛みと鍼灸治療(前編)

2019/02/27

皆さんはがんによる痛みや治療の副作用なども、鍼灸によって改善できる可能性があることをご存知ですか?

私が見てきただけでも、がんそのものの痛みや、化学療法(抗がん剤治療など)、放射線治療による副作用に対して、鍼灸で治療を行うことで症状が改善された方はたくさんいらっしゃいます。

それにより、患者さんのQOL(生活の質)が大幅に改善されるため、そこに貢献できる鍼灸の可能性は高いと思っています。

最近ではがん治療に関する大きな学会でも、『化学療法(抗がん剤治療など)の副作用に対する鍼灸治療の可能性』を発表する場が設けられることがあり、西洋医学の中でも鍼灸が少しずつ注目を浴びてきているというのは嬉しいことだなと感じました。

鍼灸により改善できる可能性のある症状

・ がんの痛み
・ 抗がん剤治療による手足のしびれ
・ 頭・首周辺の腫瘍に対する放射線治療による口内の乾燥
・ リンパ節などが影響を受けたときに起こるむくみ

などについては、鍼灸が有効な場合が多数あります。
これらのうち、今回は「がんの痛みについての鍼灸」という視点からお話しします。

そもそも「痛み」とは…

痛みは、痛みの原因となる部分から生まれる「刺激物質」が脳に運ばれることで生じます。

通常、これらの「痛み」が発生することにより人間はその部分を守ろうとし、それ以上傷を深くしないように注意しながら行動します。

つまり「痛み」は体を守るための「警告」という役割があります。

しかし、がんの痛みは「警告」という役割よりも、ただ「苦痛」であるだけの痛みの要素が大きいと感じます。

この痛みを我慢し続けることで、痛みの感覚に敏感になったり、痛み止めの薬が効きにくくなったり、体を緊張させる神経が活発に働くことで悪影響を与えることが多々あります。

そのため、がんの痛みは出来るだけ早く治療する必要があり、痛みを取ることで、その後の時間をより有意義に過ごせるようになるのです。

がんの痛み

このことをふまえ、次にがんによる痛みはどのようなものか考えていきたいと思います。

皆さんは一般的に言われる「がんの痛み」とは何が関与していると思われますか?

・ がん自体が原因となる痛み(がんの痛みの約70%)

 
がん自体が周囲の組織に広がって起こる痛み。骨への転移による骨膜(骨の表面にある、神経がたくさん走っている膜)への刺激や、がんにより神経を圧迫することによる痛みなど。

・ がんに関連した痛み(がんが関連した痛み)

がんで寝たきりの時間が長くなることにより筋肉が衰えたり、関節が固くなったりすることで、体を動かすときに痛みを感じる。また、同一姿勢で寝ていることによる褥瘡(じょくそう。床ずれのこと)の痛み。

・ がんの治療に関連した痛み 

手術によってできた傷跡や、神経を傷つけたことによる痛み。また、抗がん剤の副作用でできた口内炎などによる痛み。

・ がんに関係のない痛み

 
もともと持っている頭痛、関節痛などがんとは関係ない痛み。免疫力が落ちることにより発生する帯状疱疹などによる痛みなど。

以上のようなことが、がんの痛みを発生させていると考えられています。

次回は、それらの痛みに対し、

・西洋医学ではどのようなことを目標に、どのような痛みのコントロールが行われているか

・それを補完(サポート)するために、鍼灸ではどのようなアプローチができるか

についてお話しします。

参考文献:国立がん研究センターがん情報サービス
:緩和ケア鍼灸マニュアル
:鍼灸大阪vol.109「がんへのアプローチ」

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