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坐骨神経痛:坐骨神経痛/鍼灸治療レポート8

女性 50代 清掃業
症状:左臀部から足の痛みとしびれ

既往歴

10年前に腰椎椎間板ヘルニアと診断
3ヶ月前、梨状筋症候群による坐骨神経痛

現病歴

「鍼灸治療レポート/坐骨神経痛6」からの経過。
3ヶ月前、梨状筋症候群による坐骨神経痛の鍼治療を受けてから調子が良くなり、足の痺れを感じることなく生活を送っている。
しかし、仕事がら疲れると腰痛が発生するため再発の可能性があり、再発予防のためにも2週間に一度の来院指導をしていたが、患者さん本人が痛みも痺れも消失したことで鍼治療を続ける必要はないだろうと治療を中断され、それからも以前と同じ生活をし続けた。
2020年8月、仕事が忙しくなり重い物をたくさん運んだ日の夜に左の腰に激痛と共に腰と大腿部の外側から脛にかけて痺れを強く感じて病院を受診し行MRIを撮影、腰椎4番-腰椎5番の腰椎椎間板ヘルニアと診断された。
病院では今すぐできることが限られているので、できるだけ安静にし病態が良くなったら牽引など治療、リハビリをしていこうと言われたそう。
ただ、この状態でも仕事を休めないこと、鎮痛剤を飲んでも痛いので何かできることはないかと考えたところ以前鍼治療を受けたことを思い出し、ハリアップカレッタ汐留院に再度来院された。

鑑別診断

来院されたときは痛みと痺れが発症からすでに10日くらい経過し、激しい腰痛は和らいできたが歩くだけでも足が痺れて歩きづらい。
触診したところ、神経痛の影響で過敏になっている。
病院の診断があるものの再度確認が必要なたあめ、徒手検査のSLRテストを行った際、坐骨神経痛が発生、陽性と確認した。
左右の筋力や感覚に違いがあり、神経痛の場所、徒手検査の結果から考えて 腰椎4番-腰椎5番の腰椎椎間板ヘルニアいよる坐骨神経痛と確認できたので、治療を開始した。

治療法

腰椎椎間板ヘルニアの初期の際には腰周りの直接的な圧をかけるマッサージ整体はリスクがあるため、直接的な圧迫を避けて痛みのケアの視点から施術を行った。
患者は長時間同じ姿勢では施術が難しいため、オリジナルの腰痛ベットにうつ伏せになってもらい施術を行った。
脊柱全体のバランスを整えると同時に鎮痛効果を出すため、まず首周りの翳風(えいふう)、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)などに刺鍼後、腰に負担を与えやすい肩甲骨の動きを改善させるため、また自律神経の調整のために膏肓(こうこう)など肩甲骨周りに刺鍼した。
鍼刺激のあとに腰の緊張をとるため、腰部から骨盤周りの志室(ししつ)、命門(めいもん)、次髎(じりょう)などに刺鍼を。
下肢は神経痛でマッサージの刺激だけでもかなり敏感に痛がっていたので、できるだけ鍼の刺鍼で筋肉の緊張を解いて過敏になっている神経を鎮静させるよう、環跳(かんちょう)、殷門(いんもん)に単刺で刺激した。
施術をした後、まだ痛みはあるが立つことが楽になり足の痺れも半分くらい軽減。
1回の鍼治療で完治が難しいことを説明し、今回はできるだけ治療を続けてしっかりと効果が出るまで、効果を実感した後も再発予防に治療を続けることを提案し、神経症状が顕著なときは間隔を開けずに治療することを説明した。
それからは治療を重ねる度に徐々に良くなり、5回目の治療で神経痛が大分和らいで歩くことが楽になってきた。病院での治療と併用しながら鍼治療を行い、約1ヶ月で神経痛は消失した。

神経症状が強く出ているときはできるだけ安静にしてもらい、なるべく腰や骨盤に負担のかからない側臥位でクッションを活用した姿勢を指導。
以前と比べて割と体重が増えたとも仰っていたので、痛みと痺れが緩解したタイミングで減量を指導。
腰椎椎間板ヘルニアを含めて多くの腰痛は加重、筋力低下が危険因子であるため、症状が落ち着き次第、軽い運動と食事療法を提案した。

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