男性 60代 会社員
症状:右耳鳴り、難聴
発症:2021年6月
現病歴
高血圧、腎機能低下。右耳鳴り・難聴になり、病院から出された薬では効果が見られなかったそう。
仕事はデスクワークが中心で、右首から肩にかけての張り感と左肩甲骨内縁の硬さが顕著。また、腰部、左股関節から太ももの張り感もある。
軽井沢在住のため通勤時間が長く、2021年6月上旬から首肩こりの治療で来院されたが、耳鳴り・難聴の相談を受けたので同時に症状改善のための鍼治療を開始した。
1回目の鍼治療で耳鳴りはほぼ改善、消失したとのこと。
最近、夜中2~3回トイレに起きること、お腹の冷えを感じている様子。
鑑別診断
仕事量に比例して首と肩こりが顕著。
通勤時間や週末のゴルフ後でもこわばりを感じる。筋緊張とストレスによる耳鳴り、難聴と判断した。
治療法
鼓膜に刺激を与える手技を施し、耳周りの血液循環を良くするためさらにマッサージを。
耳周りの翳風(えいふう)、耳門(じもん)に響きを与えるくらいの刺激で刺鍼し、完骨(かんこつ)、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、中渚(ちゅうしょ)に単刺した。
腎機能を高める目的で腎兪(じんゆ)に置鍼。全身の血流と代謝機能を高めるため、下肢にも単刺を。
最後に仰臥位で下腿の経絡、胆経の陽陵泉(ようりょうせん)、胆のう点は膝を屈曲させ、耳周り同様に響きを与えるくらいの刺激で刺鍼し、腹部の水分(すいぶん)と天枢(てんすう)に単刺した。
次に来院された際、耳鳴り・難聴が改善されたと報告を受けた。
その後も再発予防と体全体のメンテナンスで週1~2回の来院を継続されており、難聴は改善している。