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美容鍼:美容鍼/鍼灸治療レポート8

女性 40代 接客業
主訴:ほうれい線、目元のたるみ、眼精疲労

現病歴

半年くらい前からほうれい線、目元のたるみ、眼精疲労を酷く感じるようになった。
とくに疾患はないが、便通の乱れ、全身疲労が続いているため、体と顔の悩みを解消したいと来院された。

鑑別診断

もともと胃腸の弱さがあり、胃もたれや食欲不振もあることから脾虚(胃腸の機能が弱く、飲食物をエネルギーにする力が弱い状態)の状態と考える。脾虚の状態は筋肉に張りがなく噛む力も低下し、たるみやすい状態を引き起こす。それに伴って、ほうれい線が表れやすくなっている。
眼精疲労に関しては、視力の問題はないことから、スマホやパソコン、読書など目の使いすぎによるものとして考える。

治療法

美容の治療は皮膚の乾燥や年齢的な肌の衰えだけではなく、根本的な治療を行う。
顔に鍼をするだけではなく、たるみの原因ともなる胃腸(脾虚)の改善を考えて足三里(あしさんり)、脾兪(ひゆ)など、胃腸の働きを促す経穴を用いる。
首肩のこりを治療することにより、頭蓋内の血流を促して顔、頭の筋肉の緊張を緩和させた後、攅竹(さんちく)、魚腰(ぎょよう)、太陽(たいよう)など目の周辺の経穴を用いて鍼と指圧を行う。
ほうれい線には鍼を直接シワに沿うように入れ、また顔全体のバランスを見ながらたるみを引き上げるような方向で鍼を刺入し、ほうれい線・たるみにアプローチ。

生活指導

美容は体の中から改善させることも重要なため、忙しい中でも睡眠・食事といった基本的な生活の見直しをすること。睡眠は時間にこだわるのではなく、質を重視。食事は良質なタンパク質、ミネラル、ビタミンに加え、良質な油の摂取を心がけること。また、腸内環境も美と健康に欠かせないことから、意識してビフィズス菌や乳酸菌の摂取するよう指導。
さらに最も重要なことは、食べ過ぎないこと。食べ過ぎは脾虚の状態を作るため、元から脾虚タイプの人は胃腸の働きがさらにに低下、筋肉の張りが落ち、たるみの原因に。
また、肩こりや疲労は気や血、体内の水分循環を低下させるため、シワやたるみの原因のひとつになることから、適度な運動に加え、定期的な治療(美容鍼)を心がけることをお伝えした。

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