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腰痛症:腰痛症/鍼灸治療レポート9

男性 30代 会社員
症状:腰痛

現病歴

2~3年前から腰に重だるい感覚はあったものの、本格的に痛みを感じ始めたのは来院される2ヶ月前の8月。
発症当時は長時間座って仕事をした後に動き出すと痛みを感じていたが、徐々に痛みが増すようになり、さらにここ最近は、動く動かない関係なく常に痛みがある状態に。
最初は左腰の真ん中の高さでやや外側の部分が痛かったが、その感覚が徐々に下にまで広がってきて、腰と骨盤をつなぐ部分が痛くなってきた。さらに最近になって、どこが痛いのかわからないくらい左腰が全体的に痛くなってきて仕事にも支障が出るまでに。
インターネットで調べたところ、腰椎椎間板ヘルニアではないか心配になって同僚に相談したところ鍼治療を勧められ、ハリアップカレッタ汐留院に来院された。

鑑別診断

痛みはどんな動作をとっても増悪するため、その中でも特に痛い動作が上肢だけ左に向いた状態で腰を反ること。
下肢にしびれはないが、股関節の動きが伴うと腰に痛みを感じることが多い。
少しでも楽な姿勢はあるのかを確認したところ、横向きとうつ伏せで横になったときしばらくの間は大丈夫とのことで、お腹にタオルを丸めておいてうつ伏せになってもらったとき、今までない楽さを感じた。
上記のことか、ら筋筋膜性の腰痛から腰椎の椎間関節にまで痛みが発展していると判断した。

治療法

脊柱のバランスを整えて腰部への負担を減らすと同時に脳脊髄液の流れを良くし自律神経のバランスを整えることを説明。
頚部、肩部周辺の天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、大椎(だいつい)、膏肓(こうこう)などのツボに刺鍼を行った。ここまでの治療だけでも強く張っていた腰部の筋緊張が緩み、深部の筋肉の硬さを察知しやすくなってきた。
腰部への直接的なアプローチは、腰の筋肉と神経の緊張をとり血流を良くするために、志室(ししつ)、大腸兪(だいちょうゆ) 、次髎(じりょう)、腰眼(ようがん)に刺鍼し、腰の椎間関節のへのアプローチするために痛みが出やすい部位を中心として、腰椎の脊際に鍼をして赤外線で5分間温めた。
温めることと鍼刺激による相乗効果で腰部全体の緊張がとれ、背部、臀部から下肢にかけての血流促進を図る。
さらに骨盤を支持する臀部や、下半身の筋肉へのアプローチのために環跳(かんちょう)、殷門(いんもん)、承山(しょうざん)、委中(いちゅう)に刺鍼を。
治療が終わった時点で、動きに対しての痛みはやや残存しているものの、痛みは半分くらいに軽減した。最後に腰の椎間関節へ体を丸めるように抵抗運動を加え、ストレッチをして終了。

初回の鍼治療で痛みは10→4に軽減。
まずは治療計画に沿って3回の鍼治療を受けることで、痛痛の原因となっている筋肉の緊張・椎間関節の圧迫を緩和していくことを説明し理解された上で週に1回の治療を継続した結果、激しく動かない限り、痛くなることはなくなった。
来院されてから1ヶ月目、痛みはほぼ消失し、現在では再発防止のために月に一度、来院されている。

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