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自律神経失調症:自律神経失調症/鍼灸治療レポート9

女性 49歳 会社員
症状:自律神経失調症、めまいなど

現病歴

いつ起きるか決まっていないが、特に起床時にクラクラとめまいがして起き上がれない。悪天候の時に起きることもあるが、天候に限らず症状は出る。
あまりに症状が続くので、脳に障害があるのではないかと心配になり、病院へ。
検査結果は異常なし。メニエールの疑いもないと言われた。医師には起床時等、頭の位置をかえた時にグルグルと目がまわる良性発作性頭位めまい症ではないかと診断された。コロナ禍でのストレスや自律神経の乱れもめまいの原因だと考えられるので、様子をみてくださいと言われ、特に何か処置してくれるわけでもなく毎朝めまいが続くので、めまい改善のため、ハリアップ丸ビル院を訪れた。
このままずっとめまいが続くのではないか、異常が見つからないだけで他に原因があるのではないか、治らないことへの焦りと不安で気が滅入ると訴えられた。

鑑別診断

血圧は正常範囲内。熟睡はできていないと思うが、睡眠はとれている。耳鳴り、難聴はない。時々、頭痛が出現。
ホルモンバランスの変化に伴い、様々な変調をきたす年齢でもあり、ずっと続くめまいが原因で精神的にもかなりのストレスを受けていると感じられる。様々な要因が重なってはいるが、めまいの原因は医師の診断通り、良性発作性頭位めまい症だと考えられる。

治療法

精神的ストレスの影響か筋緊張で身体全体がこわばっている。交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできていない。
肩がぎゅーっと縮まっており、頚部の筋緊張も顕著。まずは頚部、背部、肩甲骨周りをマッサージで緩めてから、百合(ひゃくえ)、大椎(だいつい)、膏肓(こうこう)、心兪(しんゆ)、天窓(てんそう)に刺鍼を。腎兪(じんゆ)、照海(しょうかい)にも刺鍼し、湧泉(ゆうせん)、労宮(ろうきゅう)はやや強めに指圧。
関元(かんげん)周辺を温め補腎。血流を良くし内臓機能を促すことで、気血の流れを促す。婦人科疾患にも効果的な陰陵泉(いんりょうせん)、曲池(きょくち)、血海(けっかい)にも刺鍼した。
治療後日、身体が軽くなり、頭痛はでていない。めまいの回数も減ったが、起床時にめまいがおきる。
2回目の鍼治療は、あまり間隔を空けずに行うことで、起床時のめまいも毎日続くことはなくなった。3回目の治療で、起床時のめまいもなくなり、起床後もでていない。
その後も経過観察しながら治療を継続し、小さな変化でも不安にならないよう、その都度症状を話してもらい、説明を行う。

生活指導

日照時間が短くなると脳内のセロトニンの分泌を減少するため、リモートワーク中心でもなるべく陽を浴びること。寝る前の携帯やパソコン作業を極力なくし、イライラしたり不安になる時は労宮のツボを押しながらゆっくり呼吸を繰り返すことを指導。また、腸内環境のサポートとしてビフィズス菌サプリを摂取すること等、隙間時間にでもすぐにできることを提案した。

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