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坐骨神経痛:坐骨神経痛/鍼灸治療レポート13

男性 20代 会社員
症状:左臀部から足の親指にかけての痺れ

既往歴

高校生の頃に左足関節捻挫
2020年4月に軽度の急性腰痛

現病歴

2021年1月頃から仕事で長時間座っていると、だんだん左臀部から足の親指にかけてジンジンするような痺れが出るようになった。全く仕事ができないほど症状がひどいわけではなく、ストレッチや趣味のフットサルで身体を動かすなどして悪化しないように生活していた。しかし、2021年9月上旬に体調不良で仕事を休み、家でずっと安静にしていたため、就寝中にも痺れがあり症状が悪化。
念のため、整形外科でレントゲンをとった結果、坐骨神経痛と診断。リハビリは電気治療のみ行い、そのときだけ筋肉がほぐれるが、何時間かたつとだんだん筋肉が硬くなってしまうため、効果をあまり感じず。
友人が同じような症状でハリアップに来院し痺れが緩和したため、その話を聞いた自分も鍼治療で早く改善したいと来院された。

鑑別診断

腰部の脊柱起立筋、梨状筋やハムストリングス、下腿三頭筋の筋緊張が顕著。
増悪因子:椅子に長時間座っているとき、左を下にして横向きで寝ているとき
寛解因子:臀部のストレッチやお風呂の湯に浸かっているとき
梨状筋を押すと、ハムストリングスまで坐骨神経走行上のラインに鈍痛あり。腰椎棘突起上を押しての痛みはなし。
体幹前屈、伸展、左右回旋、左右側屈時での痛みや痺れもなく、ケンプテスト、SLRテスト、ブラガードテストも陰性。
左右の感覚差もないため、腰椎の椎間関節部の問題ではないと判断。Kボンネットテストも痺れはでないが、つっぱっていて違和感がある。
臀部や周辺の筋肉の過緊張が見られたため、梨状筋症候群による坐骨神経痛と考えた。

治療法

梨状筋部の緊張緩和と関連した坐骨神経ラインを鍼とマッサージ整体を併用した治療を行うことを患者と共有。
まず鎮痛効果のある頚部の天柱(てんちゅう)、もともと首肩こりもあるため、関係する上大椎(かみだいつい)、大椎(だいつい)、肩井(けんせい)、膏肓(こうこう)に刺鍼を。次に坐骨神経に関係する腰部脊際部や梨状筋の硬結部、ハムストリングス、下腿三頭筋に鍼の刺激を感じるよう調節しながら刺鍼した。仰向けで坐骨神経ラインの血流を促す目的で股関節のストレッチを行った。
治療後はだいぶ臀部の筋肉もほぐれ、動かしやすく血流も良くなった感じがすると話してくださった。
座っている時間が長く、臀部だけでなく腰部の筋緊張も顕著なためその部分もしっかり鍼刺激したことを共有。
7日後の来院を提案。座った姿勢で仕事をされているので、坐骨神経走行上の梨状筋に加え、ハムストリングス(大腿二頭筋)のストレッチを自宅で行うように伝えた。

2回目の来院時は寝ているときの痺れはなくなったとのこと。
まだ座っているときの痺れはあるが、初回来院時より痺れ感は軽減。前回同様の治療と痺れ消失を目指し、週1回の鍼治療を継続されている。

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