肩こり／鍼灸治療レポート12

女性　20代　会社員
症状：顎関節症・肩こり

現病歴

来院される1ヶ月前から左顎に違和感があり、1週間前から痛みが伴うようになった。ご飯を食べるときに音がなったり、大きく口を開けるとガクンと顎がずれることもある。
食いしばりが強く顎周りの硬さもあり、首肩のこりにまで影響している。また、睡眠の質が悪く、寝ても疲れが取れない状態が続いている。
今は右側で噛んだりして左側を休ませるようにして様子をみているが、どうすればいいのか分からず、鍼治療で改善できないかと来院された。

鑑別診断

食いしばりが強く、咬筋など顎周りの筋肉や首肩周り、側頭部の筋肉の緊張が強くなっており、顎関節の動きを悪くしていると考える。
また、仕事のストレスで自律神経が乱れており、睡眠の質がおちていることで全体的に体の力が抜けにくくなっていると考える。

治療法

患部の治療に入る前に伏臥位で、瘂門（おもん）、天柱（てんちゅう）、風池（ふうち）、完骨（かんこつ）、大椎（だいつい）、上大椎（かみだいつい）に刺鍼し、首肩の筋肉の緊張緩和と自律神経の調整を図った。
仰臥位では頬骨から下顎にかけてのラインと側頭部をマッサージし、筋肉の緊張緩和、血流改善を図った。
下関（げかん）、頬車（きょうしゃ）、顴髎（けんりょう）、耳門（じもん）と阿是穴に刺鍼し、顎関節と顎周りの筋肉の緊張緩和、血流促進させたあと、側頭部の筋肉の緊張緩和のため角孫（かくそん）、太陽（たいよう）に刺鍼を。
最後に顎に手を当てて抵抗運動をし、顎関節の動きを良くした。