男性　30歳　会社員
症状：左耳鳴り、不眠
発症：2021年12月中旬

現病歴

日中は雑音もあって気にならないが、睡眠後、朝方目を覚ますと強烈な耳鳴り（高音キーン）がおきて、不安に襲われ眠れなくなる。
病院ではメチコバールと睡眠導入剤を処方されたが日常生活への支障が長引かないよう、根本治療を求めハリアップに来院された。

鑑別診断

医師の診断あり。日中で耳鳴りは意識できないが、患者の訴えで夜間時の左耳鳴りがでるとのこと。仕事場でのストレスは特に感じていない。
ゲームセンターやカラオケによく行っていたが、耳鳴りのため行かなくなっている。その分、洋服の買い物でストレス発散をしている。
デスクワークによる左肩の筋緊張が顕著で、首と背骨の硬さがみられた。筋緊張と血行不良による耳鳴り、耳鳴りによる不安症と判断した。

治療法

伏臥位で首と肩の緊張緩和のためをマッサージから始め、鍼で瘂門（あもん）、天柱（てんすう）、上大椎（かみだいつい）、左肩甲骨周り、胸椎第2番－4番の椎間を単刺。上大椎で置鍼を。緊張がほぐれたところで、仰臥位にて翳風（えいふう）、下関（げかん）、側頭筋周りと、天柱（てんちゅう）、風池（ふうち）に単刺した。
消化器系の機能向上を目的にお腹周りの刺鍼も行う。耳鳴りのツボで中渚（ちゅうしょ）、響きが出るくらいの刺激で陽陵泉（ようりょうせん）、胆のう点を単刺し、翳風と天柱に置鍼した。
抜鍼後、耳の穴に空気を送り込む手技と首肩のマッサージ、後頚部・前頚部のストレッチを行った。

左肩と頚部の筋肉の緊張が強いことを共有して、姿勢を意識してもらう。1週間後に予約をとってもらった。夜間の耳鳴りの状態が改善されていたが、週末はまた耳鳴りが気になるとのこと。
年明けは治療間隔を詰めて来院してもらうと、左耳鳴りは改善。睡眠導入剤を飲まなくてもぐっすり眠れるようになった。
過去に右の耳鳴りも発症したこともあったが、施術後は回復しており、2022年3月に入ってからは10日に1回のペースで通院されている。