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坐骨神経痛:坐骨神経痛/鍼灸治療レポート21

女性 30代 主婦
症状:急性腰痛

現病歴

来院当日の朝、3ヶ月の子供を抱きながら、上の子供の世話をしていたときに急に腰が痛くなった。過去にも2度、腰を痛めたことがあり、明らかにぎっくり腰だと分かった。
以前の経験では、2週間ぐらい行動がままならなかったので、早く治したいと思いハリアップに来院。

鑑別診断

来院時の患者の姿勢は、背中を丸め、右に傾いた状態だった。背中を伸ばすことができず、体幹も勝手に右に曲がってしまうとのこと。歩行は腰をかがめ、ソロソロと覚束ない様子だった。
足先の痺れなどの神経所見はなし。前後屈不可。圧痛は広範囲に渡っていた。叩打痛を見たが骨折などはなさそうだった。検査の際に患者の感じる痛みを最小限に抑えるため、徒手検査は最小限にした。
筋筋膜性の急性腰痛と判断し治療を開始。

治療法

背中を伸ばすことができなかったので、腹部に足枕を入れやや腰を曲げる状態の伏臥位からスタート。痛みの緩和のため、頚部に指圧と鍼。背腰部をソフトにマッサージし、圧痛部位に鍼を。
足まで背部全体を施術すると、右側の臀部・ハムストリングスが左に比べ明らかに筋緊張が高いのが分かった。右下半身に関して、何か心当たりがないかと尋ねると、三か月前に下の子を出産してから、右足の裏が頻繁に引きつるようになったとのことだった。今回の腰痛との関連は不明だが、おそらく足底筋群を支配している足底神経を、臀部・太ももの筋肉が締め付けているせいで、足の裏が不随意に短縮してしまうのだろうと説明した。
当症例のケースは、絞扼が、感覚神経より運動神経を、より強く締め付けているためにおこる坐骨神経痛の一症例と判断し、急性腰痛症と合わせて治療を行った。
背部・腰部のほかに臀部・下肢の硬結部位を探し、マッサージと鍼で筋緊張を緩める施術。さらに側臥位・仰臥位でも当該部の筋肉を緩めた。
1回目の治療後、ペインスケールは10から7に軽減。背筋も伸ばして歩けるようになった。炎症があるため、痛みはとり切れなかったが、鍼の治療効果は施術直後より、時間の経過とともに上がり、また間を開けずに加療することで回復も早まると説明した。炎症に対する対策として、3日後まではお風呂で温まることは禁止し、シャワーで汗を流す程度にとどめてもらった。

翌日2回目の治療。朝起きた直後は痛みをほとんど感じなかったそうだが、昼過ぎまでに徐々に痛みが復活してしまいペインスケールは5ぐらい。上半身を右側に傾ける姿勢もやや戻っていた。しかし、毎日、頻繁に起こっていた右足の裏の引きつりは、一度も起きていないとのこと。前回と同じ施術を行った。
さらに翌日に3回目の治療を。足の裏の引きつりは現在の所再現なし。腰の痛みはペインスケール2~3にに軽減。右臀部・太ももの筋緊張はほぼ消失した。
翌日ペインスケールが1~2程度であり、気になるようなことがなければ、次の治療はなしで構わないと伝え、今回の急性腰痛と坐骨神経痛の治療を終了した。

生活指導

腰痛はともかく、右の臀部・ハムストリングスの筋緊張が現れていた原因は不明だったので、以前と同じ生活習慣を続けているうちに、徐々に筋緊張が復活し、足の裏が引きつる症状が再燃する可能性を伝えた。下肢や臀部のストレッチなどでセルフケアをしてもらい、症状が現れたら再度のご来院を伝えた。

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