女性　30代　会社員
症状：右耳の耳閉感、頭痛、突発性難聴

既往歴

喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎

現病歴

2022年8月末、新型コロナウイルスに感染。その後、喉の不調が続き扁桃炎を発症。9月下旬には喉の症状は落ち着いてきたが、右耳の耳閉感が出てきて耳が聞こえにくくなった。
病院せ診察を受けたところ、突発性難聴と診断を受けた。ステロイド等で治療を試したが症状が改善せずに悩んでいたところ、インターネット検索で当院を見つけ来院。
耳の症状が出たタイミングから頭痛も強く出るようになってきたので、さらに悪化しないよう早く症状改善したいと話された。

鑑別診断

増悪寛解因子は特になし。低い音が聞こえにくい。頚肩部の筋緊張が顕著でデスクワークの仕事後、とくにこり感が強くなると頭痛が出現。
鼻がよく詰まることが多く、特に右鼻側が詰まりやすい。便秘気味。
指はじきは右耳の聞こえが悪かった。
翳風、下関、迎香、耳下腺、顎下腺、鎖骨下に圧痛があり、各リンパ付近の循環が悪いと考えられた。

治療法

鍼治療が初めてなので、いきなり耳のアプローチからは行わずに頚肩部の緊張を緩和させるアプローチから行った。
伏臥位で頚部から腰部をゆっくり指圧後、頚肩の緊張緩和を目的に天柱（てんちゅう）、風池（ふうち）、完骨（かんこつ）、上大椎（かみだいつい）、膏肓（こうこう）に刺鍼後、天柱に置鍼を。置鍼後、頭痛と頚肩こりの消失を確認。
その後、仰臥位で唾液腺、リンパ付近を中心に耳や鼻、喉周りを指圧後に聴宮（ちょうきゅう）、翳風（えいふう）に置鍼し、その後、耳周りの手技を行った。
便秘がちなことが多いことやアレルギーや粘膜が弱いことは免疫力が弱いこと、免疫細胞は腸から作られることを伝えて腹部のマッサージ、大横（だいおう）へ刺鍼をした。
施術後は体感的に2～3割ほど聞こえやすい気がすると話された。指はじきは、まだ聞こえに左右差があることを確認し、総院長 劉先生のyoutubeで紹介している耳のセルフケアと腸内環境改善のためのベイビーフローラを提案。日程の都合で次回1週間後の来院が確定。

初回の治療で頭痛はほぼ消失した。耳の症状は5～6割程改善が見られたが、プツプツと音が聞こえるとのことだったが、指はじきの左右差はかなり軽減してきた。治療は前回同様のアプローチを行った。
10日後の3回目の治療で耳の聞こえはほぼ改善してきた。プツプツと音が聞こえるのは気になる程度までに改善。便秘はベイビーフローラのおかげか、少しずつお通じが良くなったと話してくださった。

その後、患者からの連絡でプツプツとした音も無くなり、耳閉感も聞こえも左右差が無く過ごせるようになったと連絡があったため、突発性難聴の治療を卒業とした。