男性　20代　IT系経営者
症状：首肩こり

現病歴

IT系の会社で経営者をしており、慢性的に首肩こりを感じている。最近は肩こりが原因で仕事も集中できず、このままではまずいと思い近くの鍼灸院を探していたところ、当院を見つけて来院された。
痛みや痺れなどはない。鍼治療は初めてで少し緊張されての来院だった。
聞けば、最近は仕事が忙しく長時間のデスクワークが続いていたうえ、経営状況や社員の退職などでストレスも溜まっている状態だったそう。睡眠時間は8時間程とれているが、途中でパッと起きてしまうと話された。

鑑別診断

頚部の可動域は特に異常はないが、長時間のデスクワークで全体的に僧帽筋などの筋緊張が強く、腕を持ち上げると重さを感じる。
また、自律神経の反応が見られる背骨などに圧痛が顕著。
上記内容から、長時間の同一姿勢が続いたことによる筋肉の疲労と日頃のストレスなどが原因で、自律神経のバランスが乱れたことによる首肩こりと判断した。

治療法

鍼治療が初めてだったため、少し緊張されている様子がうかがえたので、刺激を確認しながら治療を進めた。
最初に伏臥位で首肩周囲の筋緊張緩和の目的で風池（ふうち）、天柱（てんちゅう）、上大椎（かみだいつい）、膏肓（こうこう）、天宗（てんそう）などに刺鍼し、脳脊髄液の流れをよくして自律神経を整える目的で胸部の脊際付近にも刺鍼した。
次に側臥位で、デスクワークで凝りかたまっている肩甲骨周囲のマッサージや上肢の鍼・マッサージ整体を。この時点で症状は3割程改善。
最後に仰臥位で、自律神経を整えるために腹部や頭部にマッサージや鍼でアプローチ。施術後、とてもスッキリした様子で首肩の筋緊張が抜けていた。自律神経バランスを整えるためのアプローチを加えると大幅に改善し、7割程症状が改善した。
今回は、自律神経の乱れによる反射、症状が顕著だった。
腸には自律神経を整える物質が9割存在しているため、この働きを活性化させることで治療後の状態が維持できること、ストレスケアにもあることを説明し、ご自宅ケアとして腸を整えるビフィズス菌サプリのベイビーフローラを提案。腸内で良い働きをする菌が定着するまでに個人差はあるが、だいたい2週間くらいで定着してくるので、まずは2週間を目安に毎日服用するように説明。
治療を続けている現在、肩こりを感じる頻度が減り、程度としても多少感じる程度まで減少しているのを感じている様子。
睡眠に関しても徐々に改善しており、相乗効果で肩こりが良くなっている。

このような状態になるには週に1回を3ヶ月程度必要だが、鍼治療とあわせてセルフケアも意識して行っていれば、必ず変化は感じられるもの。
慢性的な肩こりがある方は、長期間悩むことがないよう、根本原因から改善するための治療を続けてみてください。