女性 30代 会社員
症状:肩こり、呼吸の浅さ
現病歴
デスクワークで慢性的に首肩こりがあったが家庭でのストレスが重なったことから症状が強くなり、呼吸の浅さを自覚された。
特に息が吸えない感覚があり苦しく、家庭のことを考えたり、連絡がきたりすると負担に感じると話された。現在、不妊治療中でホルモンバランスの変化によってホットフラッシュの症状が出ることや、慢性的にお腹がゆるく、張っていることも気になっている。2ヶ月後にストレスのかかる予定が決まっており、そこまで身体が持たないと思い、数年ぶりにハリアップに来院された。
鑑別診断
頚部後屈時に後頚部につまり、前胸部に張りを感じる。頭痛、腕の痺れ、安静時痛、夜間痛はなし。
腹診では季肋部に圧痛。骨盤から下の冷えが強い。
腕を回すようなストレッチで一時的に楽に感じる。
以上のことから、呼吸筋、および呼吸補助筋の筋緊張とストレスにより自律神経が乱れ、血行が悪くなったと考えた。
治療法
最初に伏臥位で全身の筋緊張緩和を目的にマッサージ行い、その後、脳脊髄液の循環、および筋緊張緩和のため頚部を中心に天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、上大椎(かみだいつい)、大椎(だいつい)と肩甲間部のツボに刺鍼。膏肓(こうこう)に置鍼を5分行った。
続いて、血流改善を目的に腰部と下腿部のツボ、志室(ししつ)、次髎(じりょう)、中髎(ちゅうりょう)、三陰交(さんいんこう)、崑崙(こんろん)に刺鍼。側臥位で前胸部、側腹部のストレッチを実施。
最後に自律神経調整のため、仰臥位で腹部のマッサージを行い、中脘(ちゅうかん)、期門(きもん)に刺鍼。頭部のマッサージを行い、百会(ひゃくえ)、四神総に刺鍼。中脘と百会に置鍼を5分行った。その後、頚部のマッサージ、僧帽筋、側頚部のストレッチを実施。
施術後、後屈時のつまりや張りが改善し、息も深く吸えるようになったことを実感されていた。季肋部の硬さが取れた後、全身軽くなった感覚があり驚かれていた。
また、第三者にストレスの原因を話せたことで、気持ちも落ち着いたとのことだった。
2週間後に来院されたときは、呼吸が浅い感覚が出ないまま過ごすことができ、喜ばれていた。原因を除くことができないストレスため、身体への影響を減らすために継続して来院されている。