頭痛について

頭痛の原因と治療例について
頭痛はおおまかに片頭痛と緊張型頭痛の二種類に分かれます。
片頭痛は文字通り、頭の片側だけが突然ズキズキ、またはガンガンと痛む頭痛で、血管が圧迫されて血液の循環が悪くなることによって痛みが生じます。あるいは、脳の血管が拡張することによって頭痛が生じます。
片頭痛は発作的に起こりますが、直前に視界がチカチカするなどの前兆があらわれる場合が多くあります。頭痛が始まって2,3時間で症状が軽快するケースもあれば、2,3日痛みが持続するケースもあります。片頭痛は月に1,2回、または週に1回ぐらいの頻度で起こり、吐き気、めまいなどを伴う場合もあります。
緊張型頭痛も慢性頭痛の一種で、後頚部から後頭部の筋肉が緊張して起こる頭痛です。
緊張型頭痛では、頭を締めつけられるような鈍痛が生じます。

頭痛のよくある原因
片頭痛も緊張型頭痛も、精神的なストレスが大きな原因と考えられ、その疲労やストレスの蓄積が筋肉や神経だけでなく内臓の働きまで徐々に低下させてしまうことも珍しくありません。
パソコンによる作業が主流になった現代において、特に増えている慢性的疾患が緊張型頭痛です。パソコン作業で長時間首を前傾気味にして作業を続けることによって、後頚部の筋肉が引っ張られたままになり、緊張して痛みが生じます。当然、頚部や肩のこり、眼精疲労、疲労感などを伴うケースが多くみられます。
脳出血や脳腫瘍、くも膜下出血など、生命の危機に直結する疾患によって起こる頭痛、風邪などのウイルス性疾患による頭痛、高血圧症による頭痛、月経時に起こる頭痛(月経困難症)、緑内障や目の炎症、副鼻腔炎、中耳炎などによって引き起こされる頭痛もあります。

頭痛の鍼灸治療例
主な原因が精神的ストレスである頭痛に対しては、鍼灸による治療は極めて効果的です。瘂門(あもん)・風池(ふうち)・天柱(てんちゅう)・大椎(だいつい)・百会(ひゃくえ)、太陽(たいよう)など、まず頭痛が発生する頭部・頚部のツボを刺激します。
しかし、ツボだけにこだわるのではなく、そのツボが頭のどの部分に影響するかを考慮して鍼治療を行います。
なお、脳の圧力が高くなってくも膜下出血などを引き起こすことがないよう、後頭部に強い刺激を与えるのは避けて、なるべくソフトな刺激を心がけていきます。
高血圧症の患者に対しても強い刺激は避けて治療を行います。
月経の症状(月経前症候群)として出現する頭痛に対しては、頭痛だけを軽減する治療ではなく、月経困難症そのものを改善していく方向で治療します。
血管が圧迫されて起こる片頭痛は、顔面の片側の感覚がいくぶん鈍くなったり、動きが固くなる傾向があります。
そうした方には治療後に自宅で行うケアとして、温めたタオルを使った症状の緩和法をおすすめしています。
タオルを熱湯に浸して温め、それを頭痛がある部分に当てます。脳の血液循環が悪くて片頭痛が起こっているときなどは、これだけでもイヤな頭痛の解消になります。