「気」=神経系統の見方 3

記事の監修鍼灸師
ドクター・リウ鍼灸院 慶長先生

 

 

本的な生命維持、免疫システム維持という観点から神経系統

脳には、大脳皮質、脳幹、小脳、海馬、ホルモン物質などと関係する視床下部、下垂体など、また、感覚、認識、記憶、思考、運動など、いろいろな働きが行われています。それも健康に関係ないことではありませんが、根本的な生命維持、免疫システム維持という観点から神経系統を見てみたいと思います。

 

体性神経(動物神経)と自律神経(植物神経)とに大別されます。

 

体性神経→何かをするときに自分の意志で身体を動かす神経で、知覚神経と運動神経があります。

 

自律神経→その人の意志とは関係なく、各器官の必要に応じて動きます。つまり、私たちがわざわざ指令を出さなくても、必要に応じて働く神経のことを言います。

 

自律神経には交感神経(sympathetic nerves)と副交感神経(parasympathetic)があります。私たちの身体には、内外のどんな刺激や変化を受けても、形態的かつ生理的状態を一定に保とうとする、ホメオスタシス(生体恒常性)という機能が備わっています。

このホメオスタシスを保つための役割を担うのが自律神経で、循環・消化・代謝・体温調節などの機能をコントロールするなど、生命維持のための重要な役割を担っています。

 

 

次に、心臓にある、洞結節になりますが、生まれてから死ぬまで、リズムを刻むように電気信号を送ります。

生命を維持するために絶対必要な装置です。

近年では小型のペースメーカーを身体に埋め込むことも出来るようです。 

流注(東洋医学、経絡)によると、心(しん)はもとより心包と共に神に通じ、ここが病むと精神活動に影響すると言われている。

中焦は「泡のようなもの」とされ、これは水穀が腐熟するときのポコポコした状態を指すと書かれています。

 

刺激伝道系 : 洞結節⇒房室結節⇒ヒス束⇒脚⇒プルキンエ繊維

 

肝臓、肺、心臓が一緒になり、自動車であればエンジン部分になるのかもしれません。

酸素、栄養などを心臓のポンプで身体に送ります。

 

肝は、東洋医学では、心と同様、精神活動と深い関係があり、肝は「謀慮これより出ず」、思慮と同じ意味で、胆と同様で働きが弱ると、決断できない、気力ややる気が出ないなどの症状が見られます。(肝っ玉、胆力等の言い方もあります。)

 

腎の精は、加齢によって自然に減ってもいきます。

腎に蓄える精が不足して機能が衰えると、不妊症や精力の減退、更年期障害、骨粗鬆症、排尿トラブル、脱毛、健忘症、聴力の低下といったさまざまな不調や老化現象が現れるのです。

身体の免疫力や回復力が低下してきます。

 

現代医学の観点から見ても、腎臓は血液中の水分や体液、栄養成分のバランスを整えたり、血圧の調整、ホルモンの分泌など、身体にとってなくてはならない重要な働きがたくさんあります。

 

しかし、身体全体の神経系統、電気系統という観点から見るなら、腎臓というより、副腎のほうが主であると思えます。

副腎髄質からは、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。

このホルモンの働きは似ており、自律神経のうちの交感神経と同じ働きをします。

『「元気」とは、最も重要で基本的な気で、生命活動の原動力。

 

腎に蓄えられている父母からもらった「先天の精」を基礎とし、脾胃で水穀の精微から取り出された「後天の気」によって補充される。

臍下丹田に集まり、化生し、三焦を通じて全身に分布される。』とあります。

その他、宗気、営気、衛気、真気、臓気、経気などにもそれぞれ説明があります。

「気の思想」は宇宙の生成から生命現象までのすべてを「気」を根底において理解、解釈しようとするものである。

 

これは「経絡説」が形成される思想背景となってきたようです。

「気」の医学といわれるゆえんでしょう。その後、陰陽、五行説などが入ってきます。

 

日本では、2004年に第二次日本経穴委員会が設立され、2006年のWHO公式会議での経穴部位決定と教科書編纂までなされました。携わった先生方はご苦労されたと想像されます。

ですが、東洋医学、漢方概論の「気」についての考え方を見直す時に来ているのではないでしょうか? 

経穴、ツボを使って治療しますが、根本なる理論は気血水、陰陽五行説、脈診もあったりします。

 

しかし、たとえば、東洋医学の理論には、三叉神経を刺激して治療するなど、書いてはいません。 

発祥の基のもと、となるところに手をつけるのは、勇気のいることだし、難しいことだと思います。ですが、学生のこんな感想もあります。

「1年生の時に東洋医学概論を受けた印象は、摩訶不思議な世界へようこそという印象でした。特に目に見える人しか信じない人からしたら何なの? と思われることでしょう。これが東洋医学ということでしょうか。」

私も、どういうふうにまとめたらいいのかは、はっきり分かりません。

極めて困難なこととは思います。

 

現代医学、また病理だって分かっていないこともまだありますし、科学だって、物理だって未知の部分はあります。

陰陽五行説だって遺しておいて良いと考えます。が、現代では脳、及び神経についての重要性は分かってきています。東洋医学には書かれていません。

それをどのように位置づけるか。そして、現代において通じるわけもない、東洋医学の「気」の世界をどう解釈したらよいのか?

そこに、「気」=神経系統(電気系統)という解釈を取り入れたらどうかと提案したいと考ます。

 

例えば、医師からは、坐骨神経痛で、ヘルニアがあって、左側に痛みが出ている症状だといわれた、とします。

同様に説明し、治療を進めるなら、患者さんも分かりやすいのですが、これを中医学の弁証から説明するとなると、よく足の太陽膀胱経に沿った症状が見られるのですが、虚実、陰陽五行説などで、なぜ左側に痛みが出ているのかを、たとえ説明できたとしても、分かりやすい説明になるのか、これは難しいと思います。

 

「気」の流れを神経の流れともいえます、とするなら、現代医学の説明と一致します。

東洋医学の「気」を全部「神経」に置き換えろといっているわけではありません。

「気」の概念、思考は、ある部分遺しておいて良いと思います。

 

繰り返し言いますが、脳、神経の重要さは現代医学で学び、知識があるにもかかわらず、東洋医学、中医学の理論においては、あまりにもスルーし過ぎではないかと考えます。

脳波については、第六感、個人の意識、地球意識、宇宙にまでも繋がっていくような、まさに、古来からの「気」にもリンクするかもしれません。

 

同じ人間の治療に携わるのに、これでは、現代医学と東洋医学は「水と油」で、理解しがたい状況が続くことになってしまいます。

 



 

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慶長先生

慶長先生

ドクター・リウ鍼灸院 渋谷駅前院所属 鍼灸師


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