眼精疲労について

眼精疲労の原因と治療例について
東洋医学では、肝臓は目と繋がっていると言われています。
目の疲れた感じだけではなく、目の奥が痛い場合も眼精疲労の症状だと思われがちですが、この症状は単なる眼精疲労とは限りません。
それは肝機能の疲れ・低下をあらわすサインです。肝機能が低下すると、緑内障、白内障などの目の疾患も加速度的に進行を早める場合があるのです。
西洋医学的な面から見ると、目が疲れているときは血液の循環が悪くなっている上に眼球を動かす筋肉が使われ続けているので、あまり上下左右に眼球が動かず、眼球の動きが鈍くなっている傾向があります。
眼精疲労の患者さんは、肩甲骨の内側と後頭部下方の骨際の周囲が非常にこっています。

眼精疲労のよくある原因
- 目がかすむ
- まぶしい
- 物が二重に見えるときがある
- 目の奥が痛む
- ときどき頭痛・めまいがする
- 目が充血しやすい
眼精疲労は、本を読む、テレビを長時間視聴する、スマホやPCを長時間操作するなど目を酷使することによって起きる場合と、遠視が原因で起こる場合があります。遠視の場合は、もともと近くの物が見えにくい上に、40代から目の調整力が衰えるためさらに目の疲れがひどくなります。
乱視が原因で眼精疲労になるケースも多いようです。
また、首肩の筋肉のこり、精神的なストレス、過労、睡眠不足、体調不良なども原因となりますし、あまり意識されない原因として環境による眼精疲労もあります。大気中には花粉、化学物質など、さまざまな有害物質が浮遊していて、しかも目に付着しやすいのです。これらの有害物質の影響も考慮が必要です。
一方、角膜炎、結膜炎、白内障、緑内障など、目の病気に付随して起こる眼精疲労や、脳腫瘍、貧血などによる眼精疲労もあります。

眼精疲労の鍼灸治療例(発症時期に応じた治療の目安)
眼精疲労の患者さんは目元の血流が悪いため、滞った血液で白目の血管が太くなります。これがいわゆる充血です。
また、眼球を動かすための筋肉が疲れているので上下・左右に眼球が動かず、明らかに眼球の動きが鈍くなっています。
長時間の酷使で目の周囲の筋肉が疲労し、血液の循環が悪くなった、目の過労ともいうべき眼精疲労は鍼灸による治療でかなり効果を上げることができます。
特に、晴明(せいめい)と四白(しはく)は、目の充血や痛みに、胆兪(たんゆ)はさまざまな顔面の症状に効果的なツボです。眼精疲労は肝臓の疲れ、肝機能の低下に起因している場合も多いので、肝兪(かんゆ)への施術も欠かせません。
顔面にあるツボには鍼施術に手技も併用して、目と関係の深い三叉神経と顔面神経の通り道を良くしていきます。
眼精疲労は目の症状を軽減するだけではなく、機能の弱った内臓の状態を改善し、根本的に治していくことが望まれます。そのため、症状によっては鍼灸治療の他に、食事療法や薬による治療と併用する必要があります。
日常的なメンテナンスとして自宅でもできる目の周囲のマッサージもアドバイスしています。