肩こりのキホン/どうして肩がこるのか? どうしたら肩こりが治るのか?

この記事の監修鍼灸師 渡邊先生

どうして肩がこるのか?

肩こりは、日本人の国民病ともいえるありふれた症状ですが、どうして肩がこってしまうのか、その仕組みご存じでしょうか?

 

 

様々な要因から肩こりは起こります。

 

大別すると『姿勢の悪さ』、『運動不足』、『ストレス』のいずれか、あるいはこれらが重なり合って、あのつらい症状を生み出しています。

肩こりの、肩が張った感じ、こわばりや、重さ、だるさ、痛み、しびれなどを経験したことのある方ならば、上記三つの要因のいずれかが思い当たるのではないでしょうか。

不良姿勢・運動不足・ストレス、なるほど納得の原因ですが、でもどうしてそれらが肩こりを引き起こすのでしょう。

肩こりを感じた時、首や肩を触ってみると、筋肉のゴリゴリした塊を指先で捉えることができます。この塊がまさしく『こり』です。

通常、健康な筋肉は柔軟性に富んだ伸縮自在の組織です(伸縮と書きましたが、正確には筋肉は、縮むことはできても、自力で伸びることはできません。

他の筋肉や骨に引っ張られることによって伸びています。筋肉が行っているのは、実は短縮と弛緩なのです)。

ゴリゴリとしたあの『こり』は、筋肉が緊張している=縮んでいる状態です。

筋肉の短縮と弛緩の繰り返しが動作であり運動です。

なので、緊張しっぱなし、縮みっぱなしの筋肉は運動をしていないのと同じなのです(厳密には、等尺性運動と言って、動きのない状態の運動もあるのですが、紙面の都合上、ここでは省かせていただきます。

デスクワークや、ロングドライブなどで、長時間、同じ姿勢のまま動かないでいると、特定の筋肉に負担がかかり、その筋肉はやがて疲労します。

そして筋肉は、疲労すると短縮し膨張してしまうのです。これがあの『こり』の正体です。膨張した筋肉は中を走る血管を圧迫し、血流を妨げます。

血液は、各器官・組織に、新鮮な酸素と栄養素を動脈で運び入れ、不要な二酸化炭素や老廃物を静脈から運び出しています。

血行が悪くなると、老廃物が除去しきれず、筋肉内に溜まりがちになります。この老廃物は抹消神経を刺激します。

その刺激情報が、脊椎を伝わって大脳に達すると肩こりの『痛み・不快感』として感じられるのです。

 

肩こりの悪循環

痛み・不快感の情報を受け取った大脳は、その痛みに反応した指令(痛みに耐えようと筋肉を緊張させるのです)を、患部に送り返します。

その指令により筋肉は、よりいっそう凝り固まります。この悪循環によって、肩こりは放っておくと重症化してしまいます。悪循環のサイクルを断ち切るためにも、肩こりには早期の治療が必要なのです。

 

どうしたら肩こりが治るのか?

肩こりになる仕組みの簡単なおさらいと、もう少し詳しい補足説明をします。

 

① 筋肉は過緊張し疲労すると、膨張して血管を圧迫します

          ↓

② 血行が悪くなると、老廃物が溜まります

          ↓

③ 老廃物は末梢神経を刺激し、大脳は痛みを感じとります

          ↓

④ 痛みに対する指令が患部に戻り、筋肉をさらに緊張させ、血管をますます圧迫します

          ↓

⑤ そしてふりだしに戻る ①へ

 

筋肉の細胞は、ブドウ糖を材料に、酸素を使って、運動に必要なエネルギーを生み出しています(酸素を必要としないエネルギーの取り出し方もありますが、例によって、ここでは割愛します。

血行が悪くなって酸素不足になると、ブドウ糖は不完全燃焼を起こし、乳酸などの老廃物となってしまいます。

これが末梢神経を刺激し、肩のこりを感じさせるのです。

そして、このような仕組みで起こる肩こりの主な原因が、『姿勢の悪さ』『運動不足』『ストレス』でしたね。

本題に入る前に、血行の仕組みを説明します。

器官(内臓や筋肉など)に出入りする血管には、動脈と静脈があります。

動脈は新鮮な酸素や栄養素を含んだ動脈血を臓器に流し込む言わば入口の血管であり、静脈は要らなくなった二酸化炭素や老廃物を運び出す出口の血管です。

動脈は、心臓がポンプとなって血液を押し出している上に、動脈自体、自ら拍動している(脈を打っている)ため、常に血が押し流されています。

一方、静脈は動脈と違い脈を打つことはありません。静脈が血液を運べるのは、周囲の筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、静脈に対しポンプ運動のような動きを与えている時だけです。

つまり、じっとしたまま筋肉を動かさずにいると、静脈血は滞りがちになるのです。

 

いよいよ本題。どうしたら肩こりが治るのか?

 

肩こりを治すのには、『血行を良くする』しかありません。

マッサージや指圧・あん摩が効くのは、血行をよくしているからです。

「マッサージでコリをほぐす」などと言うと、肩こりのあの硬いゴリゴリの筋肉を、力ずくで物理的にほぐしている(カニかまぼこを指先でほぐすかのごとく)ような感じを受けるかもしれませんが、実際は違います。

こりは、血行が促進されるからほぐれるのです(もちろん物理的な外力によって柔らかくなっている分もあるのでしょうが)。
新鮮な酸素や栄養素を筋肉に送り込み、老廃物を速やかに排出(つまり血行を良くする)ことでしか肩こりは根本的には治せないのです。

もちろん運動をしたり、温かいお風呂に浸かるなど血行を促進するような工夫をすれば、

 

自分でも肩こりは軽減できます。

 

 

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鍼灸師(ドクター・リウ鍼灸院 渋谷駅前院)