鍼灸医療の現場から(番外編・中)

この記事の監修鍼灸師
コリとれーるカレッタ汐留院 渡邊先生

  

 

さまざまな理由で、鍼灸院に来院される患者さん

 

 

鍼灸院には、肩こりや腰痛、頭痛などの一般的な体の不調で来院される患者さん以外にも、病院での治療経過が思わしくない患者さんもお見えになることを前回お話しました。

他にもさまざまな理由で、鍼灸院に来院される患者さんがいらっしゃいます。

食欲不振だったり、疲れやすかったり、よく眠れなかったりといった具合に、なんとなく体調が優れないのだけれども、かと言って病院で診てもらうのも大げさな気がするし、でも確かに自覚症状はあるのだからと、思い切って外来を受診してみれば、検査の結果、明らかな原因となる身体的異常は見つからず、「更年期ですね」や「自律神経失調です」とか「不定愁訴ですね」などと言われて、体調がいいわけでは決してないのだけれど、しかし、これはこれで、もう仕方がないことなのか、やっぱ歳なのか、などと釈然としないまま、もしかして鍼灸だったら、このスッキリしない身体と気持ちをなんとかしてくれるのかもしれないという期待を抱いて、鍼灸院を訪れてみる。

と、ゆうような患者さんもいらっしゃいます。

安心して下さい。これらもばっちり鍼灸医療の守備範囲内です。

もっとも得意とする分野の一つです。

づらづらと書いてきたような明確な原因を特定しえない心身の不調を、東洋医学では『未病』といいます。

未だ病に至らず。

読んで字のごとく、なんとなく体調が悪いのだけれども、まだ病となるまでには至っていない、そんな心身の状態です。


今はまだ明らかな病気とまではなっていませんが、放っておけば、いずれ深刻な病に発展しかねません。

明確な病因のない不調である不定愁訴や自律神経失調症、更年期障害には、ホルモンバランスの崩れや、自律神経の乱れ(まさしく自律神経の失調ですね)や免疫力の低下などが、大きく関与しています。

あらゆる生き物には、恒常性の維持(ホメオスタシス)の機能が備わっています。

『ホメオスタシス』とは、変化し続ける外部環境と、体の内部環境を、生体が安定する一定の状態に保つ仕組みです。

一例を挙げるなら、体温。人間は外気温に関わらず、常に36度前後の体温を維持しています。

また喉の渇きや排尿もまた、体内の水分量を一定に保とうとするホメオスタシスの働きです。

自律神経系・免疫系・内分泌系(ホルモン)が互いに調節しあうことで、常に安定した健康な状態を維持しようとする機能、それこそがホメオスタシスなのです。


 

鍼灸もまた自律神経系・免疫系・内分泌系のそれぞれ働きかけることが可能です。

過敏になった神経を抑え、低下した機能を高め、循環を良くし、ホルモンのバランスを取り戻します。

 

鍼灸医療は未病の状態から、健康な状態に復帰させる手助けができるのです。

 

次回で番外編も最後「下」に続く。


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渡邊先生

渡邊先生

鍼灸師(ドクター・リウ鍼灸院 渋谷駅前院)